混声合唱団クール・リュミエール

宮城県仙台市で活動する混声合唱団、クールリュミエールのホームページです。団員募集しています。お気軽に練習見学にお越しください。

2017/6/21の練習

2017/6/21の練習
日々の練習 2017年06月21日

 夏の合宿(@華之湯)、お疲れさまでした。戸田先生の練習はこれまでの4曲の音取りを総確認しつつ、それぞれの「表現」に入りました。11月25日の第51回演奏会(@日立システムズホール)までの練習日程も発表になり、これから練習は日々深まっていきます。

 組曲「沙羅」は、日本の代表的作曲家の1人、信時潔によって書かれた「日本歌曲の史上に輝く一つの星、一つのうつくしい星座」(楽譜巻末、中山知子さんの付記)という作品です。
 いまの新しい曲や西洋音楽には聴かれないような微妙で閑静な響き、心の陰影深い動き、謡曲に由来する歌い方、現代の私たちの日常会話とは異なる古い日本語の発声が随所に散りばめられ、その一つ一つに細かく心を配りながら身に着けていく、というのが戸田先生から合唱団への宿題です。

 今夕は、全8曲を練習しました。例えば冒頭の「丹沢」では、登山中のじっとりと汗がにじむ感じ、「うらうらと」の明るさ、「どのやまもがれのいろだけは」の「ga」のごつごつ感、最後の「たばこすうている ひとり」の静けさ―などや、部分部分の音の強弱、レガートなどが細かく指導されました。

 「あずまやの」「鴉」は催馬楽(平安のいわば歌謡曲集)や狂言の世界で、謡曲のような表現が求められます。例えば「あづまやの」の「や」は「y-a」のように、「わがといくれど」の「わ」は「uwa」のように、「うすらい」の「ら」は「ruai」のように、歌詞が流れるように歌うのでなく、1音1音に独特の発声と抑揚を伴いながら「謡う」。言葉の指導は音楽と同等のこまやかさです。

 また、「あずまやの」で、だんだんと憎さがこみ上げていく表現、「鴉」の「おおおそどり(大鈍鳥) からす」で「この大まぬけ鳥、カラスめ!」と、からかい、あざけるような歌い方が指導されました。一番長く起伏の激しい「占うと」では、「ああまこと わがこいのさだめにもにて」までの、憂いや小さな怒りが積み重なって激情の叫びにまで高まる、という内的な表現を求められました。

 歌う側には難しく多くの宿題が与えられていますが、半面、精妙で美しい絵巻のような世界で、とてもやりがいがある曲です。練習はこれからが本番。参加をお考え中の方は、まだまだ間に合いますので、ぜひ一緒に歌いましょう。見学ご希望のメールをお待ちしています!

【次回の練習】
日時:6月28日(水)18時30分~
場所:ハリストス正教会 
練習曲:沙羅