混声合唱団クール・リュミエール

宮城県仙台市で活動する混声合唱団、クールリュミエールのホームページです。団員募集しています。お気軽に練習見学にお越しください。

2017/7/5の練習

今週、来週は、立原道造の詩に尾形敏幸が作曲した「風に寄せて」です。5日は「その1」、「その2」を練習しました。

 「その1」は、「さうして小川のせせらぎは 風がゐるから あんなに楽しく さざめいてゐる」で始まる、吹く風と流れる水の語らいと戯れ、相互作用が果てしなく繰り返し、織りなす世界です。この自然のきらめきとは何だろうと、詩人が風と一つになって想像の翼をひろげます。

 曲は、小川のせせらぎ、風の歩みの速さのように軽快なアレグロで明るく進みますが、「あれはもう」からの終盤は、立ち止まり詠嘆するようにモデラート マエストーソに一転し、さらに遅いアンダンテ、最後はモデラートとテンポが劇的に変わります。

 戸田先生の指導は、その終盤に至る部分から始まりました。各パートの歌も微妙にずれながら進行することから「他の合唱団の演奏を聴くと、もやもやとした響きになってしまいがちだ」といい、107小節の「かぜはみずと」から118小節まで、各パートごとに正確にハーモニーを重ねていく練習をしました。

 119小節以降、「あれはもう」から劇的になる部分では強弱の変化も大きく、戸田先生はそこに重点を置きました。sf/ mfからのクレシェンドが2回あり、いずれも「強く→引いて→だんだん強く」の表現を4パートが一つになって歌えるように注意がありました。

 また、123小節以降、「さけぼうとは」は女声がmp espで歌い、男声はfpの歌い出しでハミングを重ねていく部分の繊細な表現、128小節からエンディングまで4パートがハミングする部分の「波が寄せて、引いていく」ような強弱の変化、最後の2小節の「大きく入って、引く」表現など、戸田先生は合唱のきめ細かさを求めました。団員にとっても難しいけれど、やりがいのある曲です。

 「その2」は、風のなかにぽつんとたたずんで自らの心との対話をつむいでいくような静かで、切なく、寂しく、哀しく、しかし、何かを探していくような印象の歌です。

 戸田先生は「この曲が一番大変かもれない」と言います。最初に確認しながら歌ったのは、82小節以降、「たぶんそれは じきだろう」からの終盤。特に93小節の「こずえに」「そらよりも」「なにを なにかを」「もう もう」などが4つのパートでリレーされ、こだましていくような部分、そして、117小節の「よいことがあった」の強弱の表現。
 
 冒頭に戻って、男性のハミングを「卵を縦に口に入れたような」発声の統一が求められました。確かに、響きが全く違ってきます。44小節以降、「さびしいこころは」からも、「みみをすます」「うたは」「たのしいのは たのしいのは」「はなびらに」「こずえに」「そらよりも」など、各パートが同じ歌詞を、走馬灯のように追いかけあう部分が続きます。次々に回ってくる入りのタイミングが難しく、戸田先生は繰り返し練習しました。 

 次週は「その2」の続きと、最後の「その5」を練習します。

次回の練習
日時:7月12日(水)18時~
場所:ハリストス正教会
練習曲:「風に寄せて」