混声合唱団クール・リュミエール

宮城県仙台市で活動する混声合唱団、クールリュミエールのホームページです。団員募集しています。お気軽に練習見学にお越しください。

2017/9/20の練習

今回の練習は、信時潔作曲、清水重道作詞の「沙羅」でした。
 昭和11年の作品。幽玄な響きの美しさ、奥深い情念や余韻、謡曲や狂言に通じる言葉や節回し、「冬の旅」のような寂しさ、侘しさなど、昨今の合唱曲で耳にしない独特の世界です。歌うごとに魅力に気づく一方、難しさも増してゆく、という不思議な、やりがいのある曲に思えます。戸田先生は、どれもが個性的な8曲をきめ細かく指導しています。

 「丹澤」では、「おねたかく」の歌いだしが「おーねえ」(お姉さん)のように聞こえており、山の「尾根」となるよう、前回に続いて注意がありました。その一節に続く「ひびく・さわおと」の部分も、前後でメゾフォルテからメゾピアノに変わり、遠くの沢音のように強弱をよく出す。

 「北秋の」では、歌が短くとぎれとぎれになりがちで、「余韻をもたせて」たっぷりと歌う。また最後の2小節、「きたあきのはな」の最後の音がアルトで上がりきらず、テナーでは「の」のGシャープが、Aに上がっている声が聞こえる。

 「沙羅」では、最も印象的なピアニッシモの「さらのはなちる」が、ユニゾンに近い動きにポルタメントの上りが加わる女声、男声が「同じ声になるように」と注意がありました。
 最後の「さらのはな ほのきいろなる」では、「な・ほ」の切れ目をはっきりと、「ほ」の歌いだしを落ち着いて歌う。続く「きいろ」は、ひとまとまりの言葉に聞こえるように丁寧に。

 「行々子(よしきり)」では、終盤の「よりきりはなく」をたっぷりと長く、「なく」も「ん・なく」余韻を入れて歌う。
 マルカートが1音1音に付いた「みみいたく」も、たっぷりと、はっきりと歌う。

 「占うと」では、前半を「決して急がず、落ち着いて歌う。やるせなさもこめて」。
 「すきぐしを くしげにすてて」の部分は、いらいらした心境を表すようにアッチェランドを効かせて「すこし語気荒く、言葉をはっきりと」歌い、続く「わけものう ためいきすれば」を抑える。
 続く「ああまこと」は、「ああ」のため息と「まこと」を分け、「わがこいの」以下のフォレテシモの「叫び」をたたみかける。しかし、決して急がず、最後の「にーて」は重く、ゆっくりと。
 終結部の「こころわびしも」の「わび」は、余韻を含む「wabi(ウ・ワ・ビ)」と歌う。
 
 終曲の「ゆめ」は、なにもない孤独感、諦めの境地。「さめはてぬ」のメゾフォルテと「かなしさや」のピアニッシモの対比、「ひとおらぬ」のメゾフォルテと「しずけさや」のピアノの対比を鮮やかに出す。

【次回の練習】
日時:9/24(日) 13:00~17:00
場所:太白区文化センター展示ホール
曲目:インドネシア・風に寄せて